かながわ ゆるり、ぶらり、じっくり見学会 / 場所:三崎
2012年 02月 26日
こんにちは。
昨日は耐震リフォームの打ち合わせがありました。工事費見積もりをお見せして補強内容を説明し、ご承認いただき工事がスタートとなります。また週明けにも耐震改修の打ち合わせがあり、先の大震災からの関心の高まりをひしひし感じています。
打ち合わせが終わりまして、三浦半島先端の海に突き出た漁師街、三崎へ車を飛ばしました。
というのも昨日は、当協会主催の恒例イベント「かながわ ゆるり、ぶらり、じっくり見学会」があったのです。
途中参加でしたが三崎の古い街並を見学させていただきました。

昨日は雨曇りでしたが、徐々に天候も回復し雨に降られず見学できました。
三崎は歴史ある街並みが残っている伝統的な漁師街です。狭い路地が入り組んだ迷路のような街に、蔵の建築が数多く点在しています。
三崎は昔から海風が強く、一旦火事が起こると飛び火して周辺の建物にも延焼してしまうことから、防火の目的で石造りの蔵が建築されました。倉庫はもとより、商店、住宅なども蔵造りがみられます。入り組んだ路地も行き止まりがなく、街のところどころに井戸があるのも防火の対策のひとつであったのでしょう。

小さな漁師街でこれだけの蔵造りが残っているということは、当時経済力も豊かであったのでしょう。関東大震災では甚大な被害を受けたとのことで、それ以降はトタンの屋根や壁の増築を施した建物が増えてしまいました。
当時は蔵や家屋だけでなく塀も石造りの立派なものが多かったようですが、現在ごく一部にしか石塀は見ることができません。地震で塀の倒壊被害を受けたことにより、道路の表側はトタンの壁だったりとか、普通のサイディングの建物になってしまいました。その合間から奥まったところに突如、蔵造りが見えたりだとかで、それもまた面白いですが。



蔵造りだけでなく、石造りの凝った化粧を施した伝統的な商店街のファサードもじつに魅力的ですね。

こちらは「三崎昭和館」。蔵造りの商屋をそのまま利用した昔懐かしい大正、昭和の暮らしが再現展示されています。ここで有名なのは、チャッキラコというユネスコ無形文化遺産に指定されている伝統的な踊りがあります。それらの貴重な資料も展示されています。


観音開きの重厚な扉がすごいです。漆喰で仕上げた踏み台は黒光りするほどの光沢があり、足裏にひんやりした感触が心地良いです。

扉の巨大な丁番。壁の中に入っていますので、扉を取り付けたあとに抜け防止に壁を仕上げたのでしょうか。

昔の縁側の廊下の縁甲板には本実加工はありませんので隙間からは土が見えます。

書院窓風の障子です。細かな細工も素晴らしいものがあります。

欄間にはめでたい「鶴と亀」の彫りが入っています。
まだまだ語り尽くせないディテールや魅力が詰まっていますが、今日のところはここまでです。このあと、創業明治41年の老舗料亭で親睦会が開催されました。まぐろのかぶと焼きを堪能しました。
次回お楽しみに♪
文:菅原浩太
昨日は耐震リフォームの打ち合わせがありました。工事費見積もりをお見せして補強内容を説明し、ご承認いただき工事がスタートとなります。また週明けにも耐震改修の打ち合わせがあり、先の大震災からの関心の高まりをひしひし感じています。
打ち合わせが終わりまして、三浦半島先端の海に突き出た漁師街、三崎へ車を飛ばしました。
というのも昨日は、当協会主催の恒例イベント「かながわ ゆるり、ぶらり、じっくり見学会」があったのです。
途中参加でしたが三崎の古い街並を見学させていただきました。

昨日は雨曇りでしたが、徐々に天候も回復し雨に降られず見学できました。
三崎は歴史ある街並みが残っている伝統的な漁師街です。狭い路地が入り組んだ迷路のような街に、蔵の建築が数多く点在しています。
三崎は昔から海風が強く、一旦火事が起こると飛び火して周辺の建物にも延焼してしまうことから、防火の目的で石造りの蔵が建築されました。倉庫はもとより、商店、住宅なども蔵造りがみられます。入り組んだ路地も行き止まりがなく、街のところどころに井戸があるのも防火の対策のひとつであったのでしょう。

小さな漁師街でこれだけの蔵造りが残っているということは、当時経済力も豊かであったのでしょう。関東大震災では甚大な被害を受けたとのことで、それ以降はトタンの屋根や壁の増築を施した建物が増えてしまいました。
当時は蔵や家屋だけでなく塀も石造りの立派なものが多かったようですが、現在ごく一部にしか石塀は見ることができません。地震で塀の倒壊被害を受けたことにより、道路の表側はトタンの壁だったりとか、普通のサイディングの建物になってしまいました。その合間から奥まったところに突如、蔵造りが見えたりだとかで、それもまた面白いですが。



蔵造りだけでなく、石造りの凝った化粧を施した伝統的な商店街のファサードもじつに魅力的ですね。

こちらは「三崎昭和館」。蔵造りの商屋をそのまま利用した昔懐かしい大正、昭和の暮らしが再現展示されています。ここで有名なのは、チャッキラコというユネスコ無形文化遺産に指定されている伝統的な踊りがあります。それらの貴重な資料も展示されています。


観音開きの重厚な扉がすごいです。漆喰で仕上げた踏み台は黒光りするほどの光沢があり、足裏にひんやりした感触が心地良いです。

扉の巨大な丁番。壁の中に入っていますので、扉を取り付けたあとに抜け防止に壁を仕上げたのでしょうか。

昔の縁側の廊下の縁甲板には本実加工はありませんので隙間からは土が見えます。

書院窓風の障子です。細かな細工も素晴らしいものがあります。

欄間にはめでたい「鶴と亀」の彫りが入っています。
まだまだ語り尽くせないディテールや魅力が詰まっていますが、今日のところはここまでです。このあと、創業明治41年の老舗料亭で親睦会が開催されました。まぐろのかぶと焼きを堪能しました。
次回お楽しみに♪
文:菅原浩太
by kamakura-archi
| 2012-02-26 10:04
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