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共振現象

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上の写真は大阪南港コスモタワーからの夜景。ここは想い出深い場所でもあり大阪に寄った際に何度か訪れていました。

今日のNHK「クローズアップ現代」では超高層ビルの地震による共振現象について扱われていました。

東日本大震災の震源域から770km離れたこのコスモタワー(大阪府咲洲庁舎)で震災当時に横に3mもの揺れが起こり、大きな被害が出ました。今後15億円をかけて制振ダンパーを取り付ける工事を進めていくようです。

なぜ遠く大阪の高層ビルでこれだけの被害が出たのか?その理由が描かれていました。
大阪湾の地層は広く堆積層が分布していますが、この柔らかい地盤の地震による揺れの周期と建物の固有周期が一致(共振)することにより、相乗効果でより大きな揺れを引き起こしたとのことでした。
とくに東日本大震災のようなすべての周波の揺れを余すことなく放出したような巨大なエネルギーにより、遠く大阪の高層ビルに被害が出たのです。
東京タワーのアンテナが曲がったり、新宿の高層ビル群が大きな横揺れを起こすなど関東でも大きな被害が出ました。
今後予想されている東海、東南海、南海の三連動大地震では、おそらくこの揺れの何倍もの揺れがあると予想されます。

地震によりさまざまな特性の周波を持っています。これらすべてを予測することは困難ですが、最近の高層建築物ではこのような地盤の特性を考慮して設計されているものもあります。例として今回の地震でも大きな被害を受けなかった東京スカイツリーの制振装置について解説されていました。
現在、地盤や建物の固有周期の解析が進んでおり、次第に危険性のある高層建築が明らかになりつつあります。今後これらの建築物への対策が急務といえます。

文:菅原浩太
by kamakura-archi | 2012-02-14 00:49 | その他

神奈川県建築士事務所協会鎌倉支部のブログ


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